無観客ライブ、オンラインレッスンなど、インターネットや会議ツールを代用したエンターテイメントが話題ですが、普段通りのレッスンが難しい今、みなさんはどんな取り組みをしていますか?
「私たちのいけばなスタイル!」では、支部やお教室で活躍する先生に役立つレッスンの知恵、そして、癒しのフラワークなど、今だからこその取り組みをご紹介します。

SNSって、どうやって活用してる?
リモートレッスンって、どうすればできるの?
どんなフラワークが喜ばれてる?

など、今だからこそ取り入れるべきアイデアを交換しましょう!

第3回はこちらの4件のレポートをご紹介します

  • 久保島 一智さん
  • 宮﨑 穂さん・小野 黎明さん・清田 佳世子さん
  • 宇田川 幸香さん
  • 荒木 香優さん

久保島 一智さんのレポート

コロナの緊急事態宣言発令前の、4/1から毎日インスタライブ生け花をやっています。4日間ほど入院したのでその間は出来ませんでしたが、6/30でインスタライブは86回目です。

遠方の生け花の会員の方、他流派、全く生け花を知らない人も見に来るようになりました。

草月は時代に合わせた生け花を生けるのに、SNSに対応出来ないのでは、時代遅れと言われかねないので真っ先に始めました。僕のような若手や、教室を開きたくても開けない人たちはこうやって生け花の発信を続けることによって、トーク力や、度胸がつきます。これが、コロナの収束後、他流派との比較や若手の底上げになると信じてやり続けています。

久保島 一智さんの取り組み

  • Instagramにて「インスタライブ生け花」を実施
  • Instagram:kazunori.kuboshima

宮﨑 穂さん・小野 黎明さん・清田 佳世子さんのレポート

華道部のある昭和薬科大学の卒業式はコロナ禍の中、3月5日卒業生と先生のみで厳戒態勢の中行われました。例年卒業生の為に華道部員がいけていた卒業式のお祝い花も在校生は学校立ち入り禁止の為に制作できません。いけたお花は、毎年卒業生たちが父兄や後輩たちと記念写真をとるスポットにもなっていました。

華道部の指導に伺っている私たちは、例年行っているこの制作を辞めてしまうのも忍びなく学生課に相談したところ、『父兄も後輩も参加できない卒業式に卒業生たちがしょんぼりしていて私たちもかわいそうでなりません。コロナで大変な時ですが、先生方が宜しければ、理事長をはじめ私たちからも、是非例年のようにお花で卒業生たちを元気にしてください。』と、例年通りのお祝い花の依頼を受けました。

部員ぬきでの3人での制作となりましたが部員の気持ちものせて、写真の他2ヶ所計4ヶ所にいけました。いけこみも撤去も警備の見守る緊張感漂う中で行われました。卒業式には私たちも学校に入る事ができずその様子を伺うことができませんでしたが、撤去の時に警備の方々が口々に、『羽織袴の卒業生たちが、お花の前や後ろに回ったり、次から次に笑顔で写真を一杯撮っていましたよ』と話してくださり、私たちもほっとしました。

いけこみ直後、華道部員にはいけた花の写真を送りましたら、たくさんの返信があり、『自分たちがいけることができなかったのは残念でしたが、こんなに大変な時に、卒業生の先輩方の為にお花をいけて下さってありがとうございます。』という言葉が送られてきました。

その時、いけたお花が《みんなを繋いでいる》と強く感じました。卒業生も部員たちもいつもの卒業式とはなりませんでしたが、何年か先にこの卒業式の事を思い出す時に、いけられた花たちもその思い出の中で彩られていると良いなと思いました。

その後、緊急事態宣言が発令され、入学式は中止、大学はリモート授業となり前期は学校への立ち入り禁止、部活も禁止となりました。卒業したら、医療従事者となるひとたちですから、この困難を記憶に残して、社会に出たときに生かしてほしいと思います。部活禁止なのですが、部員の子達は、『うちにあるものでこんなのいけました~』と、写真が送られてきます。いけることが日常にあって、自分の居場所を明るくすることができる彼女たちに、私たちも日々励まされています。

宮﨑 穂さん・小野 黎明さん・清田 佳世子さんの取り組み

  • 華道部の指導に当たっている大学の卒業式にて、部員の代わりに祝い花を制作

宇田川 美幸さんのレポート

SNSわたしのお花発表会

「SNSわたしのお花発表会」を始めました。2歳ぐらいからの小さなお子さんから大人までと、細々とお教室をしております。今年の夏は発表会をする予定でしたが、どうなるか予定が立てられませんでしたので、SNSで発表会をすることにしました。みなさんがご自分で選んだお花で、お家でいけた作品を、メッセージとともにご紹介しています。外出自粛期間中は自分がお花をいけるだけではなく、みなさんがいけるお花から元気と勇気をいただきました。自分のお花が、誰かを笑顔にできる、そんな力をこれからも発信していきたいです。

第1回目:https://ameblo.jp/salondesourire/entry-12589596015.html
第6回目:https://ameblo.jp/salondesourire/entry-12607085770.html

Zoomでのオンラインレッスン

Zoomでのオンラインレッスンに挑戦してみました。いけばなが全く初めての方、始めたばかりの方などに、もっと気軽にお家でもお花を手にとって、楽しんでもらえたらと無料オンラインレッスンをしました。花材は近所のお花屋さんや、スーパーの花束などで参加者さんに用意していただくことで、無料にしました。

有料レッスンでは、経験者の方や、この花をこの場所にいけたい等、目的に沿ったレッスンを行いました。ご希望の方には花材の配送もしました。

海外在住の日本人の方からもオンラインレッスンのお問い合わせがあり、オンラインのみでは難しい部分もありますが、思いがけず需要もあるという発見もありました。よい方法を探りながら、対面とオンラインとに対応できるよう、一層、いけばなを学んでいきたいと思っています。

宇田川 美幸さんの取り組み

荒木 香優さんのレポート

旧テキストにありました、コラージュを郵送による「通信講座」で行いました。花屋さんも閉まっている状況下で、何が出来るだろう・・・と思い、自宅に糊と鋏があれば出来るのではないだろうか?と生徒さんへ課題を出してみました。

旧テキストの頃とは違い、雑誌や新聞などの紙媒体も減ってしまった時代ですので、緊急事態宣言が出ている中、本屋さんへ探しに出て頂くわけにもいかず、著作権フリーのイラストや写真をプリントし皆さんへ送付しました。初めてされる方が多かったので色紙も同封し、切り絵の要領で作って頂くよう説明を加えました。当初、テーマは自由にする予定でしたが、コラージュをご存知ない生徒さんにはハードルが高い為「梅雨」を統一したテーマにし、一か月じっくりと「STAY HOME」中に表現するものを花から紙に変えて制作して頂きました。

梅雨の時期になり、教室を開催しております〈けいはんな記念公園〉にて提出して頂いた作品を写真のような具合で展示しております。テグス糸で吊るしている為、遠くから見ると宙に浮いているようにも見えます。また、前を通るとくるくるとゆっくりと回ったり、揺れたりしましてお客様にも喜ん
で頂いています。「いけばな教室の皆さんの作品です」とご案内すると、「いけばなでこんなことをするのですね!」と驚かれ、また公園の公式SNSに掲載したところ興味深く見て頂けた様子でした。

草月流の幅広い「いけばな」を知って頂くにもとても良い作品が出来、生徒さん達にも花以外でのお稽古をして頂くことが出来ました。

展示の様子は、けいはんな記念公園公式Facebookにも掲載されました。

荒木 香優さんの取り組み

  • 郵送でコラージュの通信講座を実施
  • けいはんな記念公園 ビジターセンターのしつらえとして展示
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