あけましておめでとうございます。
勅使河原茜家元より、皆さまへの新年のご挨拶を配信しております。
ぜひご覧ください。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新年のご挨拶

皆様、あけましておめでとうございます。

2021年の幕開け、いかがお過ごしでしょうか。

昨年は、世界中が新型コロナウイルス感染症に苦しめられた1年でした。そして、この戦いは今もなお続いています。
コロナにより、私たちの日常はいやおうなく大きく変化しました。大勢の人と一緒に食事をしたり、学んだり、遊んだり……こうしたごく当たり前のことが当たり前にできなくなっています。
いけばなの世界でも、たくさんの展覧会、教室、イベントがやむなく中止になりました。あとどれくらいこの状態が続くのか、先の見えない不安は今も続いています。

けれど、このような中でも、ただじっとしていられないのが、草月人だと私は思います。
何かを創りたい、表現したい、学びたいという草月の皆様の思いに応えるために、WEB家元講習会の開催、オンラインレッスンの実施、クラウドファンディングに挑戦して予想を超えるご支援をいただき、作品を制作、展示させていただきました。
こうした試みの一つ一つに多くの皆様が応え参加してくださいました。改めまして心から感謝いたします。
ほんとうにありがとうございました。

会員の皆様も、支部や社中、個人で、たくさんの方々がそれぞれの場所で今できることに取り組んでくださっています。
オンラインのおけいこ、展覧会、SNSに作品をアップしたり、デモンストレーションを披露したり、そのパワーにはほんとうに頭の下がる思いがいたします。
こうした皆様の様々なチャレンジは、いけばなの可能性を大きく広げるものであり、コロナが収束した後でも、続いていく流れになっていくと思います。
あきらめずに、今何ができるのかを真摯に考え、少しでも行動につなげていくこと、そこには希望が生まれるはずです。

いけばなは、リアルに人と花、人と人とが思いを交わすところに本質的な魅力があると思います。
いつか必ず、いけばなを目の前にして、リアルに人と人とが直接交流することができる日が戻ってきます。
その時まで、どうぞご自分たちなりのやり方で、自分自身をみがき高め、いけばなを楽しむ日々を送っていただきたいと思います。

私個人としては、この年末年始、アメリカで仕事をしている次男も帰国し、家族みんなで楽しい時間を過ごしています。
次男 萱(けん)は、アメリカでのコンサルティングの仕事をしながら、草月の中で自分に何ができるのかを真剣に考え、草月の組織について色々なことを学んでいます。
今の時代ですから、そこはよかったことです。
アメリカにいても草月のことを知る方法はたくさんあります。
萱が草月に対して真剣に向き合い、すでに取り組んでいることだけは、皆様にお知らせできます。
どうぞしばらくは温かな目で見守っていただければと思います。

2021年も大変な状況はまだまだ続くと思いますが、いけばなや草月に対する皆様の熱く大きな思いを受けとめて、少しでも前へ、少しでも明るい方へと共に歩んでいきたいと思います。
ほんとうにほんとうに、近い将来、皆様と笑顔でお会いできることを心から願い楽しみにしています。
どうか今年もみんなでがんばりぬきましょう。

草月流家元 勅使河原茜

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