無観客ライブ、オンラインレッスンなど、インターネットや会議ツールを代用したエンターテイメントが話題ですが、普段通りのレッスンが難しい今、みなさんはどんな取り組みをしていますか?
「私たちのいけばなスタイル!」では、支部やお教室で活躍する先生に役立つレッスンの知恵、そして、癒しのフラワークなど、今だからこその取り組みをご紹介します。

SNSって、どうやって活用してる?
リモートレッスンって、どうすればできるの?
どんなフラワークが喜ばれてる?

など、今だからこそ取り入れるべきアイデアを交換しましょう!

第1回はこちらの5名のレポートをご紹介します

  • 大薗 彩芳さん
  • 多田 晴綾さん
  • 石塚 洸枝さん
  • 日向 雄一郎さん
  • 嶋 直香さん

大薗 彩芳さんのレポート

世界中のいけばな仲間と「おうちで色集め」!

“#おうちで色集め” “#collectcolorschallenge”という独自の企画を立ち上げ、世界中のいけばな仲間達とオンライン上(Facebook/Instagram)で挑戦。コロナ禍が本格化した4月から企画をスタートさせ、結果的に、初投稿から1ヶ月半で世界中で60点以上の作品が生まれました。情報が錯綜しお花を買いに行くのも少し怖い時期に、「この企画であれば、老若男女、国籍、年齢問わず、言葉もいらずに遊べるかも。少しだけおうち時間が楽しくなるかも。」と思い立ちスタート。ルールは「自分のおうちの中にある同じ色のモノを集めてオブジェを作る」だけです。

  • まったくお金がかかりません
  • 外に出る必要もありません
  • お花を使う必要もありません(使っても異質素材だけでもOK)
  • おうちの中を見渡すと色に囲まれていることに気付きます
  • 同じ色でも微妙にそれぞれ色味が違うので面白い
  • 格好つけない日常感のある方が面白い作品となりそう

指名をして強制的に回していくチャレンジに違和感を感じ、1人も指名をしていない中、多くの方に賛同いただけこれだけの数が集まりました(スイス/イタリア等のヨーロッパを中心に中華圏の方々にもチャレンジいただきました)。色を集めて作品を作ることは、もちろん私の専売特許でも何でもありません。昔からやってるよ!という方も多数いらっしゃるとは思いますが、世界共通言語のひとつの”色”でオンラインで皆さんと挑戦ができ単純に楽しかったですし、国によって家の中にあるものや商品パッケージや色味に特徴が出て興味深かったです。また、何より、世界は繋がっているという事を改めて実感することができました。応援いただいた方々/温かい声をかけてくださった方々本当に心強かったです。ありがとうございました。まだまだ完全収束は遠いかもしれませんが、平穏な日々が戻るように祈ります。

「おうちで色集め」全作品
「おうちで色集め」大薗 彩芳さんの作品

オリジナルwebサイトの作り方(Wix/Canvaのご紹介)

“おうち時間”を使って“オリジナルのいけばなwebサイト”を作ってみるのはいかがでしょうか?既にご自身のwebサイトをお持ちの先生方も多いと思い詳細は割愛しますが、自身のwebサイトを持つことはFacebookやInstagram等のSNSとは違った利点があります。恐縮ですが、これからご自身でサイトを持とうとされる方に対して、以下少しでも参考になれば幸いです。エンジニアでもデザイナーでもない私ですが、以下サイトをゼロから自分1人で作っています。(ホームページ:HIGEDEBU FLOWERS)運用も1人です。何十万円もかけて外注開発する必要はありませんし、プログラミングを学ぶ必要もありません。プランによりますが、私の場合は初期費は0円、年間毎で3万円程度の維持費です。

皆さんにご紹介させていただきたいtipsは以下3点です。

①「Wix」のテンプレートをうまく活用して、直感的にサイトを作る!

https://ja.wix.com/
wordpress等様々な同類のツールが存在しますが、私はWixというサービスが使いやすかったです(サービスとは無関係で、回し者ではありません!)。数えきれない程のテンプレートから自分の好きなデザインを選択し、直感的に画像やテキストの場所やサイズを変更可能です。絵を描くようにwebサイトを作ることができますし、パソコンだけでなくスマートフォンの画面も同時に作成可能です。

②WixとInstagramを連携することで、更新が同時にできる!

webサイトをお持ちの方が一番面倒なのは情報更新かと思います。特に1人で運用する場合は、何ヶ月も何年も更新する暇がないといったことは十分に考えられます。しかし、SNSは画像を投稿するだけなので、FacebookやInstagramはたまに投稿するという方も多いのではないでしょうか。私の場合は、instagramの更新をかけると、自動的にサイトのTopページの画像が更新されて増えていくようにしています。そうすることで、わざわざwebサイトを更新しなくても、SNSに投稿さえすれば最新の作品情報を出すことが可能で、あたかも常にアクティブなwebサイトのように見せることができます。

③「Canva」を活用し、ロゴマークやポスターを制作する!

https://www.canva.com/
こちらもおすすめのツールで、ブラウザでもアプリでも制作可能です。私はずっと無料会員ですが十分です。PhotoshopやIllustratorのように有料の難しいソフトを学んだり、使いこなす必要はありません。オシャレなテンプレートがかなりたくさんあり、直感的にデザインをすることができます。私の場合は、webサイト内のタイトル文字はこちらで制作していますし、展示会のポスター等もこちらで制作することがあります。
※基本的には商用利用可能ですが、写真素材によっては著作権等問題になる可能性もあり利用規約等ご注意ください

大薗 彩芳さんの取り組み

  • オンライン企画「おうちで色集め」を実施
  • Wix、Canvaを活用したオリジナルwebサイトの作り方提案

多田 晴綾さんのレポート

花アトリエ・綾を主宰しています。まだ初心者の数名のご希望の生徒さんにのみ、お花といけるポイントをまとめた資料をいけばなセットとしてお渡し致しております。小学3年生のお母様からはとても喜んでいただけ難しいけど楽しかったとご本人から感想もいただけました。50代の方は添え木ができず、上手くいけられなかったとご意見があり、また再開してから特訓することにし2回目からは添え木を組んだ状態でお渡しをしました。上手くできたと喜んでくださいました。やはり、その場で伝えられない分、言葉や絵での表現は難しいですが私自身相手の性格や年齢を考え作成する時間はとても有意義でこのような時でないとできないことだなと感じました。お花をいけることの楽しさとお花のある空間の良さを忘れないでほしいという気持ちから始めたいけばなセットを今後も活用できればと考えております。

多田 晴綾さんの取り組み

  • いけばなセット(花材+いけるポイントをまとめた資料)を作成

石塚 洸枝さんのレポート

4月からお教室(生涯学習センターと、自宅近くでのカルチャースクール)が開催出来なくなったので、まずは生徒さんと繋がれるよう、LINEグループや、Facebookグループで、日々のいけばな情報や豆知識を発信しました。また、お教室開講予定日に、zoomでのお教室を開き、自宅でもできるいけばなのデモンストレーションや、情報交換をしています。ご希望の方には、花材を宅配便で送ったり、花選びのアドバイスをして、ご自宅近くのお花屋さんで調達していただき、レッスンもしています。作品写真を送っていただき、メールやLINEでコメントしています。

また、YouTubeチャンネルを開き、花型の説明や自由花のデモンストレーションをしてみました。最初は生徒さん限定にしていましたが、一般の方にも公開したところ、想像以上に楽しんでいただけて、今までいけばなをいけるところを見たことがない方にも興味を持ってもらうきっかけとなりました。動画を撮り、自分の動きをみて反省点もたくさんあるので、少しずつ改善成長していきたいと思います。

FacebookなどSNSは、以前から発信に活用していましたが、写真だけでなく、花伝書や五十則に書かれていることは、今の状況で自分を見つめるヒントになると思うので、”いけばなの心”をちりばめながら発信していこうと心がけています。InstagramやFacebookと連携することで、いけばなを知らなかった方に届けることができるし、他流派の先生のデモンストレーションを拝見することができ、新しい発見があります。草月の皆さまからの発信も、とても刺激をいただいております。無料で情報を載せることで、ハードルが下がることはとてもよいのですが、お教室再開する時に、レッスン料をいただき、お教室にきていただくためには、より質の高い、価値のある場にする必要性を感じています。

鯉のぼりをイメージして、“音楽を感じる”
アマビエさまをイメージして“色で遊ぶ”

石塚 洸枝さんの取り組み

  • LINEグループ、Facebookグループを活用した生徒さんとの情報交換
  • Zoomでのオンラインレッスン
  • YouTubeでの動画配信
  • Instagram:fworks.ohana.de.ohanashi

日向 雄一郎さんのレポート

①オンラインレッスン:YouTube編

概要
様々な方法でオンラインレッスンを行うことができますが、私はYouTubeを利用してオンラインレッスンをしております。YouTubeでレッスン動画を公開するのですが、これを一般公開するのではなく、限定公開にすることで参加者を募集できるシステムをつくりました。実際にはオンラインショップを開設し、申込みや決済システムをわかりやすく整備し、どなたでも自由に参加していただける窓口を用意しました。そして花材は宅急便で発送しています。参加者は花材が届いてから数日以内に、YouTubeを視聴しながら花をいけ、出来上がった作品を写真もしくは動画を撮り、私のもとにメールで送る…。私は送られてきた作品写真や動画を見ながら講評をメールで返すという具合です。

ポイント

  • YouTubeを限定公開にして参加者を募集する
  • 事務業務全般は既存のオンラインショップを利用するのが理想的
  • 花材は全てこちらで準備して宅急便で発送する

思うこと…

  • 誰でも参加できるという間口の広さは大きなメリットです。けれども、自分の生徒さんではない方(親先生が他の方…)も参加される可能性がありますので、この点はセンシティブな問題なのかもしれませんね。
  • ハードルが高いとすれば、動画を制作する必要があること。これにはある程度の撮影機材と、撮影ノウハウ、編集作業が必要だと思います。実際に取り組んでみて思うのは、この動画制作を自分でやらなくてよい選択肢をつくるべきだなという点です。つまり、オンラインレッスン動画制作代行のようなシステムを早急につくった方が良いと考えてます。撮影とか編集が出来なくても、最低限のPC操作が出来れば、誰でもオンラインレッスンを行うことができるようになると、これからの時代の新たないけばなレッスンのかたちが生まれてくると思います。このサービスはとても重要だと思ってます!あっ、このネタはパクッちゃダメですよ、新しいビジネスモデルですから〜笑 とは言え、本部主催の教室でも、このシステムをうまく活用していけば今だけではなく、今後も遠隔地に住んでいる方が積極的に参加することができるので、とても身近なシステムになるはずです!

②オンラインレッスン:Zoom編

概要
専門学校のいけばなの授業はZoomのリモート授業を実施しています。生徒数は20名弱で行っており、デモンストレーションも、いけ方の解説も丁寧に見せることができるので、とても使いやすく、概ね円滑に進めることができます。YouTubeのオンラインレッスンとの違いは、まず決められた日時に開始することと、生徒さんとライブで繋がっているため、作品の指導や講評をリアルタイムで行うことができる点です。また、同時にGoogleClassroomというエデュケーションシステムを併用しており、資料のやりとり、課題の提示や提出、Zoomのアンケート機能を応用したテストなど、一元化されて管理できるのでこれも便利です。

思うこと

  • 私は20名弱の人数で行ってますが、理想は4〜5名の少人数、プライベートレッスン、グループレッスン向きだと思います。
  • ホスト役となる私はPC内蔵のカメラではなく、外部ライブカメラを使い鮮明な映像で写るよう心がけてますが、生徒側はPC内蔵のカメラやスマートフォンであるケースが大半で、映像がボヤけていて良く見えていないのが正直なところ。。生徒側の映像が、生徒側の使用機器に依存するのは仕方ないですが、本格的に取り組むのであれば、オンラインレッスンスターターキット等をリリース(販売)して、生徒側からも鮮明な映像が届くと良いのかもしれません。

日向 雄一郎さんの取り組み

  • YouTubeでの動画配信 チャンネル:CHANNEL HINATA
  • Zoomでのオンライン授業
  • Google Classroomを活用した課題管理
  • BASEを活用した有料コンテンツ販売 HINATA IKEBANA STUDIO

嶋 直香さんのレポート

コロナにより自宅教室はお休みしています。カルチャー教室は6月末まで休校になってます。生徒さんたちも私もストレスがたまってます。それを解消するための第1弾として、私はかねてからYouTubeでいけばな動画を発信してましたので、アップの回数をさらに多くしました。また、生徒のみ限定で見れる基本花型動画も制作しました。こういう時期だから先生の顔が見れて嬉しいという声が、私の原動力です。

第2弾はzoomにてのインターネット教室です。生徒側の用意はスマホを立てるスタンドと、インターネット環境だけです。すでに5回開催してます。初回はもたつきましたが、システムを理解してからはスムーズなものです。遠路から来ていた生徒は今後はzoomにてのお稽古をしたいとのことです。

嶋 直香さんの取り組み

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