あけましておめでとうございます。
勅使河原茜家元より、皆さまへの新年のご挨拶を配信しております。
ぜひご覧ください。
本年もよろしくお願い申し上げます。

新年のご挨拶

改めまして、あけましておめでとうございます。今年2022年が皆様にとって喜びや発見に満ちた素晴らしい年となりますことを心から願っています。

昨年私は家元を継承して20年を迎えることができました。たくさんの方から温かなお祝いやお言葉、励ましのメッセージをいただきました。心より御礼を申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

昨年は継承20周年を記念して、7月に京都の草月WESTで「むすぶ」と題した個展を、11月には東京の草月アトリエで「ひらく」というタイトルのもと個展を開催いたしました。コロナ禍の不安な状況の中でしたが、たくさんの方にご来場いただき本当に嬉しかったです。草月WESTもアトリエも、その空間だからこそ生まれた作品構成になったのではと思っています。空間の声を聴き、その場にただようエネルギーを受けとめながら作品をつくりあげることができた素敵な時間でした。

コロナのために思うようにいかないこともありましたけれど、20年間では多くの方と結んできた絆を大切にしながら、未来への道を開いていく気持ちで植物に向き合った充実した20周年でした。これから先も何ものにもとらわれず、表現することにつねに自由自在でありたいと願っています。

草月創流100年まであと5年です。勅使河原蒼風が体一つで立ち上げた草月流は、多くの会員の皆様に支えられて、今ここまで大きくなりました。「花はいけたら、人になる」という蒼風の理念は、今も変わらず鮮やかに私たち草月人の心の中に息づいています。「花は人」だからこそ、楽しく、面白く、ときに不思議で、不気味で、とにかくおもしろいのです。このおもしろさを皆様一人ひとりが花をいけながら実感して、ひとりでも多くの人に伝えてほしいと思います。それぞれが少しずつでも前向きに動いていくことで、100周年への道はやがて大きく拓かれていくはずです。

次期家元となる萱は、今もNYでコンサルティングの仕事に打ち込みながら、草月の組織のことなどを一生懸命学んでいます。機関紙「草」2月号には、萱のインタビューが掲載される予定です。これからも少しずつ色々な形で萱の人となりを知っていただく機会をつくっていきたいと思っていますので楽しみにしていてください。

いけばなは、その人のその時々の人生に寄り添ってくれる生涯の伴侶のような存在ではないでしょうか。どうぞ今年も、皆様がそれぞれの場所で、それぞれのやり方で、いけばなを楽しんでくださること、そして笑顔いっぱいでいてくださることを心から願っています。

草月流家元 勅使河原茜

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